縮小辞で愛嬌あるスペイン語に

スペイン語を教科書で学んでいても、単語ってなかなか頭に入ってこないですね。今話題の単語や言い回しもとなると、憶えるのは結構大変です。

今回は割と息抜きなテーマとして「縮小辞」について紹介していきます。

縮小辞(もしくは指小辞)って言葉自体を初耳の人もいると思います。日本語でも、「キレイ」が「小綺麗」、「腹が減った」を「小腹が減った」なんて言ったりしますよね。

同じようにスペイン語でも少し単語の語尾を変えて、愛称として呼ぶときや、可愛らしさ瑣末さを含めるときに使われるのが縮小辞です。中南米では特に多用されているそうです。

スペイン語での縮小辞を知っておかないと、すでに知っている単語が未知の単語に聞こえて、急に置いてきぼりになってしまうかもしれません。使いこなせる必要はありませんが、そういう語尾の言い回しがあるんだ、と知っておきましょう。

縮小辞は-ito, -itaが基本

単語が母音で終わる場合は、その母音を男性名詞なら-ito、女性名詞なら-itaに変更します。

子音で終わる場合には、それぞれ-itoか-itaを子音の後につけます。

最後の音節がnで終わるか、eで終わる言葉には-cito/-citaが加えられます。

さらに複数形の場合には最後にsをつきます。

また、単語によっては -illo, -illaが最後にくっついて別の意味の単語になっているものがあります。

具体的にどう変わるか、みてみましょう。

知っている単語が未知の可愛い単語になるかも5選

1: 可愛い妹たちがいるなら、縮小辞で可愛く

姉妹という単語「hermana」は、縮小辞がつくとこのようになります。声に出して読むと、アクセントも変わってしまうことが分かりますよね。

hermanas → hermanitas

2:スペイン語でもパンはパンだと信じていたのに

pan → pancito

パンの場合は、最後の音節がnで終わるので、-citoと語尾が変化します。目で見ると、なるほど、というところですが、突然会話で出てくると、なんのことだか見失いそうですね。

3: ビールすら可愛く飲む

ビールを差す単語「cerveza」ですが、これも縮小辞をつけて呼んじゃいます。

cerveza → cervecita

4: お茶するのも可愛く

cafe → cafecito

¿Vamos a tomar un cafecito?と誘われることもあるかもしれません。気持ちよく返事ができるように憶えておきましょう。

5: ほんの少しをもっともっと可愛く

「un poco」と会話の中で使ったことがある人も多いはず。これに縮小辞をダブルでつけるとこうなります。

poco → poquito →poquitito

日本語で「おみおつけ(御御御付け)」という丁寧過ぎて見える単語がありますが、同じ匂いを感じますね。

実は縮小辞で意味が変わっていた単語5選

1: カバンとポケットの親密な関係

カバンは「Bolso」と言いますよね。これに-illoがつくと意味が変わります。

Bolso カバン
Bolsillo ポケット

カバンにくっついたプチカバン、というイメージで縮小辞で名前がついたんでしょうか。イメージで憶えやすそうですね。

2:バターとラードの取り違えに注意

Manteca ラード
Mantequilla バター

割と初期の頃に出てくるバターという単語、よく見ると語尾が-illaになっていますよね。実はこれも縮小辞がついていたんです。
レシピに入っているときにうっかり間違えないようにしなければなりませんね。

3: 未婚か既婚かも縮小辞だけの違い

señora 奥さん
señorita お嬢さん

よくよく見ると、確かに縮小辞がついているだけで、意味が違いますよね。男性はseñora一択ですが、女性は2種類呼び方があるので、ネイティブの人たちでもどちらを使おうか迷うことがあるそうです。

4: アルマジロは、武装した小さいやつ??

武装するという意味の動詞「armar」の過去分詞「armado」。これに縮小辞をつけると、

アルマジロ:armadillo

になるんです。

5: ¡Ahorita!には気をつけて

今という意味で、最初の方に出てくる単語「ahora」。これに縮小辞をつけると、「ahorita」。「すぐ、たった今」というニュアンスになる言葉なはずですが・・・それが絶対来ない未来を意味することもあるので注意が必要です。

これはよくメキシコの話で聞くんですが、何かをお願いされたとき、人々が気を遣ってNoと言わないときにも使われる単語だったりします。もちろん文字通りの意味のまま、すぐだったり数時間後だったり数日後に果たされる約束もあります。

けれど、「うん、今度ね、またの機会にね」とはぐらかすことって、日本人でもありますよね。同じように、口語で使われるときには、「いつかね」「今度ね」「そのうちね(絶対ないけど)」みたいなニュアンスも入ることがあるんです。

縮小辞は人の名前にも

日本でも友達の名前を呼びやすく文字って、愛称にすることってありますよね。○○ッチ、みたいな感じで。それと同じように、縮小辞は名前にも適用されます。

Ana → Anita
Carmen → Carmencita

また、私の友人から聞いた話ですが、お父さんもJorge, 息子もJorgeと同じ名前がいる家庭では、紛らわしさ回避のためその息子は家族からこう呼ばれていました。

Jorge → Jorgillo

なお息子本人は、すでに20代半ばの男性です。その呼び方を好いてはいませんでした。一人前ではないように聞こえるからかもしれません。

語尾が-ito/-ita, -cito/citaだったら縮小辞を疑え

ここまで、縮小辞の使い方と具体例を紹介してきました。知っているのと知らないのとでは、大きく変わりそうですよね。急に聴き慣れない単語が出てきて、語尾が-ito/-ita, -cito/citaだった場合には、縮小辞を疑ってみてください。もしかしたら意味がわかるかもしれません。