都市部では建物のつくりが時代の移ろいと共に変化していることに伴い、ツバメの巣を作ることができる場所がどんどん減ってきているそうです。そんな中、ツバメの英巣が始まりそうな状況に出くわしました。
アパート・マンションの低層階に住む方、持ち家の方にとっては不意に遭遇するかもしれないツバメの巣作りに対処する方法についてまとめました。
ツバメの巣作り
とある朝、2匹のツバメが盛んにさえずりながら飛び回っているのを見つけました。
その日は店先の看板が何度も倒れるほど風の強い日だったにも関わらず、その小さな翼で力一杯羽ばたいて、旋回しながら何度も軒下に入っていきます。
その軒下は小綺麗な白い塗り壁で、表面が少しゴツゴツしているので、おそらくそこにうまく爪を引っ掛けているのでしょう、器用に壁に体を固定して2羽で顔を見合わせてさえずり合い、飛び立ち、旋回してどこからか戻ってきて、また数分の間過ごしては飛び立つのを繰り返しています。


ツバメは人間の住んでいる家に巣を作るというので、このツバメたちも新しい巣作りの場所としてこの軒下が適切なのか、確かめているのでしょう。
ツバメの巣は縁起がいい?お店への影響
実はこの軒下は一般のおうちではなく、こじんまりとしたカフェであったものの、普段目につきづらそうな場所だったため、念のため顔見知りである店員さんにこの状況をお伝えしました。
当の店員さんも、さえずりがかなり聞こえていたが巣作りを始めそうだということには気づいていなかったらしく、対策をこれから考えるとのことでした。
ツバメの巣は縁起が良いとされています。風通しが良くて人通りのある場所にツバメは巣を作るため、ツバメが巣を作った家はこんな幸運が訪れると言われているんです。
- 繁盛する
- 金運が上がる
- 子宝に恵まれる
- 火事にならない
- 病人が出ない
ちなみに、ツバメが巣作りに選びやすい場所は、以下のような条件が揃っているそうです。
- 建物の1階か2階である
- 1日を通して人の出入り・通行が多い
- 天敵の足場になるような場所が近くになく、外から見えづらい
- 風通しが良いが雨や日差しを避けることができる
- 過去に巣作りがおこなわれたことがある
しかし、鳥の巣ができてしまうと、鳥の糞害の懸念はもちろんのこと、健康被害の可能性や小鳥を狙う天敵が寄ってくる可能性が高まるなど、お店の営業に影響がないとは言い難いのが現実です。
ツバメの巣作りをやめさせる方法は
ツバメの巣作りは、1週間ほどで完成してしまうそうです。そのため、対策を打つのであれば、早めにしなければなりません。
今ツバメが巣作りしそうな挙動をしているとき、巣作りをやめさせるにはどういった方法があるのかを調べてみました。主な方法としては、以下のものが挙げられるようです。
- 凸凹の壁面が好まれるため、工夫してツルッとした表面に変える
- 光ったり、ひらひらと風で動いたりする異物を設置する
- 飛行しづらい場所だと認識させる
- 鳥用の忌避剤を使う
具体的な対策方法については、よくまとまっているブログ記事を見つけましたので、こちらをご覧ください。
一方で、ツバメの巣をそのまま見守るとしたら
もしツバメの育児や巣立ちを見守りたい場合は、次の工夫が必要となります。
- 外敵のリスクを遠ざける
- 糞避けの工夫をおこなう
身近な天敵としては、カラスや猫が挙げられます。
カラスは巣に足を引っ掛けて巣を蹴り落とすため、巣の周りにカラスが近づけないよう、ヒモやネットを貼るのが効果的なようです。
猫の場合は、足場があればそこから飛びかかる可能性があるので、足場になりそうなものが巣の周りにないようにしましょう。
糞の掃除については、においや虫の発生源となるため、しっかりと対処する必要があります。段ボールや新聞紙を設置して、頻繁に取り替えましょう。
詳しくはこちらのサイトからご確認ください。
https://www.wbsj.org/wbsj-blog/swallow/
なお、ご自宅の軒先にツバメの巣ができた方で、糞の処理をこまめに行なえなかったために、そこに集まった虫によって健康被害に悩まされた方もいらっしゃるようです。掃除については徹底するように心がけましょう。
産卵後の巣の駆除は違法?
ツバメのヒナは可愛いけれど、糞の被害が心配という方も少なくないはず。もし巣を作って欲しくない場合には、早めに決断しましょう。実は、ツバメを含む野鳥は法律で守られているため、都道府県知事の許可なしに、卵やヒナがいる巣を駆除することは違法です。
どうしてもツバメに巣を作らせたくない場合は、巣を作り始めそうな段階で、巣作りをやめさせる方法を実践しましょう。
まとめ
飲食店の店舗でツバメの巣を見守るのは衛生的に難しそうです。巣作りをやめさせる場合は、早めにその意向をツバメにはっきりと示して、他の候補地を探させるのが現実的のようです。その際、人工の巣を用意して、そこへ誘致する方法もあるそうです。
ですが、もしそういったことが関係ない場所であれば、可愛らしい雛が旅立つ姿を見守りたいと思う方も多いでしょう。ツバメは一度巣を作ると、同じつがいが毎年同じ場所に巣を構えるそうです。来年以降もまたツバメがやってきて、巣作りしてヒナを拝ませてくれると思うと、少し楽しみですね。