Vyondの映像の利用権(商業利用権)の譲渡について、理解していますか?
契約書の文章って難しくて苦手・・・お金も払わなきゃならないなんてちょっと不安。そんなふうに感じている人も多いはず。
これからVyondでアニメを作って提供したいと思っている方に向けて、Vyondの映像の利用権の譲渡について解説します。
なお、2020年9月初旬に「商業利用権」から「映像の利用権」に日本語での名称が変更されたので、本記事では併記しています。
クライアントのためにVyondでアニメ制作を受注する時には、知っていないと、せっかくお金をいただいたのに譲渡手数料のおかげで赤字になってしまうかもしれません。しっかり確認しておきましょう。
この記事は2020年3月からホワイトボードアニメーション制作を始め、4ヶ月で130本のアニメを制作した Kaoruが執筆しています。記事の最後には英語での映像の利用権の譲渡申請の方法をご紹介しているので、初めて申請する人は是非参考にしてみてください。
なお、動画でVyondの映像の利用権の譲渡について知りたい人は、ザ・セールスライターの動画がおすすめです。
___ もくじ
映像の利用権(商業利用権)の譲渡とは?
Vyondで作ったアニメは、自分でアニメを作って発信などに使うだけでなく、第三者に使ってもらうために提供したり納品したりすることが可能です。
この場合に必要となるのが「映像の利用権の譲渡」です。
映像の利用権の譲渡をする場合には、Vyondのアカウント所有者が申告し、手数料を支払う必要があります。
そうは言っても、Vyondを提供するGoAnimate社は遠いアメリカの会社です。言葉も違うし、正直払わなくてもバレないのでは・・・という考えが頭を過ぎることもあるでしょう。しかしそれは長期的にみてリスクになると言えます。
GoAnimate社があるアメリカは訴訟大国として有名です。すぐには罰則がなくても、GoAnimate社が訴えたら確実にアウトですので、その後の信用を失い、お仕事ができなくなるでしょう。支払いをごまかすことはお勧めできません。
支払方法は、Vyondをどう契約したかで分かれる
Vyondのアカウントをどこ経由で契約したかによって手数料の支払いかたが分かれるので、自分にあう方法を確認してみましょう。
1、日本のVyond代理店WebDemoからVyondを購入した場合
日本語でのサポートを受けながらVyondを始めることができるので、ウェブデモから申し込んだ人も多いですよね。実は代理店経由の場合には2種類の申し込み方法が選べます。
1、日本語で手続代行を依頼する
ウェブデモのユーザー限定で、映像の利用権の譲渡手続きの代行があります。
制作本数が長期的に複数本に渡る場合には、お得なパートナープログラムもご案内があるそうです。全て日本語で相談できるのはとても安心ですから、使わない手はありません。
値段は1本の動画につき13,200円(税込)です。
申し込みは、https://animedemo.com/business/ から進めましょう。
2、英語で直接GoAnimate社へ申請する
Vyondを提供しているGoAnimate社に直接英語で連絡を取り映像の利用権の譲渡手数料を支払う方法もあります。
本数が少ない、もしくは単発案件のみの場合は、Ad Hocつまり都度都度申請する方法をとります。値段はビデオの長さにかかわらず、1本あたり99ドル。ドル円の相場にもよりますが、10,500円程度(1USD=105.6円)です。日本語でのサポートがない分、不安もあるかもしれませんが、ちょっとお得ですね。
継続的な大型案件の申請をする場合には、翻訳ソフトの助けを借りてProduction Partner Programが適応できるので、本数や分数に応じたディスカウントが適応されます。Production Partner Programの連絡先に、問い合わせてみましょう。
参考:https://www.vyond.com/rights-transfer/
2、GoAnimate社からVyondを購入した場合
この場合は、英語で直接GoAnimate社へ申請する選択肢のみです。
【補足】英語で申請する方法の手引き
英語に少し不安がある、でも英語で映像の利用権の譲渡申請をしたいという人のために、簡単な申請方法をご紹介します。なお、Ad Hocの場合のみとなりますので、継続的な大型案件の申請をしたい人は、翻訳ソフトの助けを借りてProduction Partner Programの連絡先に問い合わせてみてくださいね。
1、必要事項の回答を準備する
以下が必要事項のリストです。以下をメモ帳などにコピペして、項目ごとに英語で記載してみましょう。
Billing Information:
– Your company name (if applicable):
– Your full billing address (street, city, country):
– Your contact details (name, phone, email):
Video Information:
– Email address attached to your account:
– Video name and URL:
Transferee:
– Details of the company / individual you’ll be transferring the rights to (company name, contact person, email address):
上記の内容を上から順番に日本語で書くと、以下の内容です。
・請求書の宛先となる会社もしくは個人の名前・住所・電話番号・メールアドレス、そして会社の場合は担当者名 ・ビデオの情報として、Vyondアカウントが紐づいたメールアドレス、動画の名称とURL ・権利譲渡先の会社もしくは個人の名前・メールアドレス、そして会社の場合は担当者名
英語で住所を書くのって少しコツがいります。日本語の住所から英語の住所に自動変換してくれるサイトを賢く使いましょう。
2、Ad Hocの連絡先宛にメールを送る
Rights TransferのページのAd Hocの段落にあるメールアドレス宛に、上記内容を含んだメールを送りましょう。必要事項だけをメールすると不躾ですので、簡単でいいので最初と最後にご挨拶の文章を必ず入れましょう。シンプルな記載例を掲載しておきます。
Hello, I’d like to transfer the rights of below video. (ここにメモ帳などに書いた英語の必要事項をコピペ) Could you tell me how I can pay the transfer fee, please? Thank you, (あなたの名前)
こんなイメージです。カッコ書きのところは、英語でメモ帳に書いた必要事項や英語での自分の名前を書くのを忘れずに。
3、内容に不備がなければ、PayPalの支払いリンクが送られてくるので支払いを完了する
担当者が上記内容をチェックし、不足している情報がないことが確認できたら、支払いのリンクを送ってくれます。支払いを終えたら、手続完了です。
(万が一追加でこの情報が必要だと返信が来たら、翻訳ソフト片手に頑張りましょう。)
以上が英語で直接GoAnimate社へ映像の利用権の譲渡申請する方法のすべてです。しっかり準備すれば、何も怖いことはありません。少し勇気が出たのではないでしょうか?
映像の利用権(商業利用権)の譲渡手続きはとても簡単
権利の譲渡なんてめんどくさい!と思う方もいるでしょう。でもやってしまえば意外と簡単です。説明した内容をまとめると、以下のようになります。
日本代理店ウェブデモでVyondを契約した
→日本語で申請するならウェブデモから、動画1本あたり税込13,200円
→英語で申請するならGoAnimate社から、動画1本あたり99ドル
GoAnimate社から直接Vyondを契約した
→GoAnimate社から申請、動画1本あたり99ドル
今後もクリエイターとしてお仕事を続けていくなら、避けては通れない道です。この機会にしっかり対応できるようになってしまいましょう。