Vyond(ビヨンド)を特徴・マイナス評価ポイント4つとともに解説:パワポ感覚で簡単にアニメが作れる米国発クラウド型ツール

最近たまに見かけるVYONDってなんだろう?アニメを作れると聞いたけど、どんなものが作れるのかな?

そんなふうに気になっている方に向けて、この記事ではVYONDについて紹介します。

なお、この記事は2020年3月からVyondによるホワイトボードアニメーション制作を始め、4ヶ月で130本のアニメを制作した Kaoruが執筆しています。そのため、ヘビーユーザーならではの手厳しい意見も敢えて添えてありますので、最後までご覧ください。

VYONDとは、アメリカ発のアニメ制作ツール

Vyondとはアメリカ発のアニメーション制作ツールです。ブラウザ上で操作できるクラウド型ツールで、AWSを使っています。

パワポみたいに簡単にアニメが作れる!と言われるほど操作は簡単。

制作したアニメはMP4のほか、GIFアニメ制作につかう画像としてDLすることができます。サイズは以下のキャプチャの通りです。

特徴1:作れる絵柄は3種類

Vyondではコンテンポラリー、ビジネスフレンドリー、ホワイトボードアニメーションの3種類の絵柄が用意されています。それぞれのタイプで作ったアニメを紹介します。

コンテンポラリー

ビジネスフレンドリー

ホワイトボードアニメーション

このようにVyondは3つの絵柄の違いがありますが、逆にその違いを利用してキャラクターを目立たせたり、表現の幅を広げる応用が可能です。

絵柄を混ぜた制作例1:ビジネスフレンドリー+ホワイトボードアニメーション

こちらのアニメは、メインキャラクターはビジネスフレンドリー、そのほかは全てホワイトボードアニメーションで制作した例です。メインキャラクターがしっかり目に入ってきますよね。

絵柄を混ぜた制作例2:ビジネスフレンドリー+コンテンポラリー

キャラクターはビジネスフレンドリー、時々出現するマスクや消毒用アルコールボトルなどの小道具はコンテンポラリーのスタイルで作っています。好みの小道具がないときは、一つのスタイルにこだわりすぎずにアセットを探すと表現の幅が広くなります。

特徴2:テンプレが豊富、毎月アップデートあり

GoAnimate社のページで毎月アップデートがあり、その時々に合わせた小道具やオブジェクトが追加されます。2020年の春夏は、新型コロナの影響もあって、マスクや手洗い、リモートで自宅から仕事といったアセットが少なくありません。

ときどき最新のテンプレート一覧で確認しましょう。

特徴3:クラウド型だからPCを選ばない

ダウンロードが必要ないのがVyondの特徴でもあります。ブラウザで動くから、PCの動作が重たくなったり、空き容量やスペックが足りないから工夫が必要になったりと言うことがありません。

対応ブラウザは、次の3つです。

Google Chrome
Mozilla Firefox
Microsoft Edge

Safari, Internet Explorerでは起動できませんので、あらかじめ上記3つのうちいずれかをインストールしておきましょう。

特徴4:わずか数日で習得可能

Vyondの最大の特徴は、習得が簡単ということです。

たとえば通常のアニメを作ろうとソフトを立ち上げると、高機能すぎてソフトの使い方に慣れるまでに時間がかかります。しかしVyondでは、直感的に使いやすいようにメニュー項目が工夫されているんです。

以下の画像が実際のVyondの編集画面の一部のスクリーンショットです。グレーの部分がメニュー項目ですが、左から、アップロードしたアセット、人物、小道具や建物などのモノ全般、グラフ、文字、音楽・音声です。ぱっと見で分かりやすいですね。

この工夫のおかげで、初心者でも2〜3日で1分程度のアニメを作れるようになります。「パワポ並に簡単」と言われる理由が分かりますね。

Vyondのココが残念

ではここからは、ヘビーユーザーならではのVyondの手厳しいマイナス評価ポイントを紹介します。

マイナス評価ポイント1:回線の速さ・サーバーの状況によって快適さが変わる

特徴3で述べたように、Vyondはクラウド型のツールだからハイスペックPCである必要はありません。その代わり、回線が遅い場所だと読み込みに時間がかかり、頻繁に再読み込みする羽目になるので作業が進みません。イライラの原因になりがちです。

さらに、回線の速度が速い環境であっても、Vyond側のサーバーの状況によって繋がりにくくなることがあります。私の経験では金曜夜・土曜夜あたりにそういった現象に出会すことが多かったです。こんなときは、何もできません。早々に諦めて数時間後に作業を再開しましょう。

マイナス評価ポイント2:絵柄によってテンプレの充実度の格差が激しい

Vyondをかなり使いこなすようになると、色々と気づきが出てきます。その一つとして、それぞれの絵柄のテンプレ充実度の差がひどいです。

一例を挙げてみましょう。ホワイトボードアニメーションで綺麗な一般女性のオリジナルキャラクターを複数作ろうとしたとします。ホワイトボードアニメーションの髪型は全部で82の選択肢がありますが、ヘルメットや帽子をかぶったものも含まれてしまっていますね。シンプルな髪型のものもカツラのように見えて顔立ちにフィットしないものもあるので、結局選べる髪型はほんの一握り。

対してコンテンポラリーだと185の選択肢があり、ヘルメットや帽子をかぶったものは含まれていません。カツラのように顔立ちに合わないこともコンテンポラリーだと少ないので、選べる髪型の幅が広いです。

こういった充実度の差は見逃せません。今後改善されることを望むばかりです。

マイナス評価ポイント3:女性らしいアクションが少ない

キャラクターの動きを選ぶだけで、簡単にシーンの中で動かせるのはありがたいのですが、女性らしい品のある動きを使いたくても、適用できるものが非常に少ないです。
どちらかというと子供っぽいアクション・若い男性っぽいアクションがほとんどなので、女性のお客様を意識してアニメ制作するときには、Vyondは難ありです。

マイナス評価ポイント4:音声データが扱いづらい

Vyondはアニメを作るツールなので、音声に特化しているとは言えません。

Vyondが他のアセット共に提供しているBGM、SE、入力した原稿を読み上げる機械音声を使うことができます。

しかしそれらをアニメのタイムラインに載せたとき、音量の調整メーターなどは一切ないので、自分の肌感覚で完成させるしかないのです。

Vyondのアニメ制作をしている人で、音声に言及している人はほとんど見かけません。そのため気にしている人はほぼいないでしょうが、聞きやすさは視聴維持率に絡むポイントです。

百聞は一見にしかず。まずは無料体験でVyondを試してみよう

色々と細かいことを指摘しましたが、それでもテンプレを使ってものの数分で1本の短編アニメを作れるクラウド型ツールは大変ありがたいです。実際に操作してみると、そのありがたみがすごくわかると思います。

興味を持ったら、まずは14日間の無料体験から試してみてください。